ご実家の隣に古くからあった平屋。離れと呼ばれた今は亡きおばあちゃんの木の家に、お孫さんにあたる真希さんが新たな息吹を吹き込みました。
週末にお花やお茶の教室を営んでいた真希さん。しかしながら、そのほとんどが、物置と化している家の中で、奥の和室とその前室の板間を使ってのささやかな教室でした。
「明るく広々楽しいお花教室にしたい」「茶室という名の広間は、法事にも使えるよう可変性を持たせて」そんな訳で、私たちはお施主様と楽しみながら、この小さな家の模様替えを始めました。
瓦屋根と外壁はほぼそのままに、内部は全て壊してやり直し。窓の位置やサイズも変えた大きめの改造です。
玄関の古い桜の上框は、はずして削って再利用。あわせて床材も桜に。
一間半の間口の小部屋ふたつを、天井裏の補強と、北山杉のまあるい磨き丸太柱を立てることで、二間間口の広々お花教室に。
奥の茶室や水屋は開け放つことで一室利用も可能に。
玄関 奥が茶室、手前はお花教室、庭先にあった百日紅の老枝を手すりに
玄関見返し 錆御影石削りだしの蹲踞(つくばい)と踏石を設えた
お花教室入口 建具は型板硝子二枚を合わせ、間に押花に見立てた草花を封じた
廊下 天井をはがして小屋組を現した 仕上には土佐和紙を貼り上げている
茶室 水屋を隣接し、導入となる板間とは、襖四枚を引込むことで一体利用も
水屋 オーダーしたステンレス水切を落とし込み、すのこは敷地内の竹であつらえた
設え 新たに炉を切り、躙り口を開けた 実際に敷地袖よりにじり入ることが出来る