瓦ノミライ

かつて、わたしたちの明石は、瓦の名産地でした。
紅い蛸壺がそうであるように、酸化鉄を多く含む、良質の土は、
沖縄の瓦のように、素焼きでは紅くなります。
備前焼と同じく、1300℃前後で焼ききる工程を踏み、
(その温度に耐えうる良質な土だったのです)凍てにも強く、
阪神間の景色を彩りました。潮焼きと呼ばれる潮を釉薬とした赤瓦は、
明石の旧名、赤石よろしく屋根を鮮やかに飾ったものでありました。
経て、明石瓦は、衰退してしまいました(その歴史は他へ譲るとして)が、
お向かいの淡路は奮闘しておりまして…
甍の代名詞、いぶし銀の、いぶし瓦で名を馳せておりますが、窯元は、
瓦の普及を念頭に、趣向を凝らした取り組みが多数ありますので、ここで紹介。
↓瓦の箸置き

↓瓦のしずく
※実際の瓦と違い、いぶしの炭素膜を最小限に押え、土本来の吸水性を活かす実験。

ともに、東京ジャパンホームショーの淡路瓦ブースで頂いたもの。
窯元の安冨白土瓦さんは、鬼瓦のような妻飾り製作、瓦の彫刻体験まで幅広い。
しかも、鉄板焼ならぬ、瓦焼き(瓦の上でお肉を焼く!)な、ごはんやさんまでこしらえて。
また今度、体験ツアーなど企画してみたいですね。→安冨白土瓦さんのHP

そして、こちらは、大栄窯業さんの瓦のコースター。
大塚工務店でも販売しておりますのでお気軽にお声かけください!
他にも瓦雑貨をたくさん輩出しておられます。→大栄窯業さんのHP
また、大塚工務店の参画する、古材のネットワークの中には「古瓦倉庫」という古瓦活用
の仕組みも整えつつあります。なかなかおもしろい取り組みです。→古瓦倉庫HP
以下、その他の地域の瓦ネタを徒然に…
三大瓦産地のひとつ、三州(愛知)では、緑化瓦も。
山陰の名産地石州(島根)では、壁にも床にも地瓦の美しい建物が!
お近くですと、瓦ミュージアムが、近江八幡にありますね。これも美しい。

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