古材、その出身地


私たちの古材の特長のひとつをご紹介。
★ちゃんと古いということ(その履歴も)
ただ、古いだけでなく、ちゃんと古いということ。
わたしたち古材倉庫のネットワークでは、古材の定義をつくっています。
そのひとつが、築60年以上あるいは、昭和20年より以前に建てられた
古民家から、輩出される古材であること。
長い年月をかけて育ち、熟成された、国産材(当時はあたりまえでした)を
熟年の大工が見立て、刻んだ良質な木材。
しかも、輩出される梁材の多くは、良く肥えた地松(国産、内地の松の総称)。
現在、外来種の松喰虫の影響で、日本の松を、大きく太く育てることは
大変困難な状況にあります。
特に、関西のような温暖な地域では、顕著な事例。
結果、輸入による、外材の松の利用がほとんど。
その意味でも、古材は、貴重な財産“古財”なのです。
民家の屋根を支えるうちに、鍛えられ、無駄な脂が抜けた古材は、
トップアスリートの名にふさわしい、強靭な体を持つ材もたくさん。
それらを活かしきること。
その理念をたくさんの人に、共有してもらうべく、現在、
“古材活用ギャラリー”を準備中です。
古いケヤキの大黒柱を挽き直し“囲炉裏”にあつらえたり。
かつて屋根を支えた太鼓丸太の松の梁を“大黒柱”として、しつらえたり。
その活用は、大胆かつ慎重に。
できるなら、かつての大工の仕事の跡も、
ちゃんと評価して魅せてあげること。
凛とした強さやしなやかさは、何物にも変え難い、一級品です。
そして、どこで使われていた古材なのか、ちゃんとわかるのが
わたしたちの古材のいいところ。
やむなく、解体を決断された、旧居の家主さんも、ちゃんと活用して
あげれば、その嫁入先を暖かく見守ってくれることでしょう。
たとえば
“古材活用ギャラリー”の太い梁は、神戸市西区白川のF様家で
ついこの間まで、現役としてがんばっていた古材です。
鋸をいれると、松特有の柑橘系のような、いい香りがしました。
「屋根に架かる梁を、柱に仕立て直したんや。こうしてみると立派やろー。」
「もともとは、神戸の古民家の木でな、280年もんやねんどー。」
そんなふうに、モノではなくコトを。
語り継げるよう物語が生まれたら、家づくりも、愉しいではと。

↑現在活用中の古材の在りし日の姿(2008年10月)

↑その280年頑張った古民家の母屋。現地調査時の鑑定の様子は“こちらから”

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