古材活用⑨抜けて空へ

大工10人態勢で3日。昨日ようやく大屋根の棟があがりました!
ねぎらいの宴を設けてくださったお施主様には感謝感謝です。

今日から野地仕事を進めて、屋根仕舞いを急ぎます。当店では軒裏に木を魅せる化粧野地と呼ばれる仕事をしています。

屋根下地となる野地を敷く前の、斜め材の垂木を据えた今の段階が大好きなシーンのひとつです。

抜ける空、吹き抜ける風。軸組と呼ばれるように、日本の木のいえは、水平と垂直の材で組まれています。その間を残したのが窓(間戸)、蓋をした所が壁になる。

景色があるところでは、窓を効果的に配し、開放感を演出したいものです。その意味で建前時のこの瞬間が、最も開放的で快方感バツグンだったりします。

もちろん、夏と冬で異なるお日様の効能を調整する深い軒、風の道や、断熱材の選定もたいせつです。

今回はそこに、古材が加わって、木の架構の印象に厚みをもたらしてくれています。二階リビングは、それらを活かした勾配天井の予定。



一方、天井と床下地兼用の杉の三層板(Jパネル)が既に、穏やかな陰をもたらしてくれています。


窓の向こうの公民館には桜の木があって、借景として、その風景が窓から切り取れたらなあとも。


経て、文字通り、大工の舞台がそこにはあります。
お施主様の為を想って、その力を十二分に発揮してくれることを四代目は切に願っています。


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