自然の恵みと摂理に感謝して。

関西きっての、いや、日本きっての木使い建築家の三澤文子先生が、満を持して、私たちの地元兵庫県産木材に着目してくれています。写真は、僕らが奥播磨と呼ぶ宍粟の森で実践する、葉枯らし乾燥の見学ツアーより。樹は根を切られても尚、枝葉に水を送り、乾いた木は軽くなり搬出しやすくなるという伝統的な乾燥方法です。自然の恵みと摂理に感謝しかありません。

四代目も、文子先生の夫である故三澤康彦先生と一緒に、その背中を追っかけて、全国の林産地を訪ね、林業のことを、きこりの口から聞き、見て、感じてきました。国産材利用をあたりまえと定め、様々な産地の逸品を活用しながら、一周二周回ってたどり着いた答えは、近くの山の木で建てることでした。

日本の森林面積の多くを占める人工林は、使ってあげなければなりません。放っておいても元の自然には戻らないのです。使って、植えて、育てて、また使う。ひいじいちゃんたちの世代からのバトンを引き継ぎ、川上の想いを川下の街に届ける。山は海の恋人とする、大きな循環を街の子供たちとシェアする。

全国の大工さんみんなが、近くの山の木を使えば、ウッドマイルズと呼ばれる輸送にかかるエネルギーも減らせます。

今、改めて、ローカルエコノミーの実践を。ローカルエコノミーの実践が、ローカルエコロジーの達成につながり、先人から預かった世界を、ちゃんと未来へ贈れるのではないかと。

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