子午線の家|hausK@明石

子午線の家|hausK@明石

敷地が狭小地の場合、建築の中に抜けをつくるのは容易ではない。ひねり出した工夫のひとつとして、大きな高窓がある。リビングの小さな吹き抜けを介して北に開く窓から、四季折々の空を讃えることができる。裏山は、万葉の時代からつづく社寺を内包する人丸山。そこに顔を見せてくれるのは、日本標準時子午線を象徴する天文科学館の時計台だ。

夜になれば、リビングの高窓からは、星空を眺めることができる。ライトアップされた天文台はプラネタリウムで有名だけど、住まい手は居ながらにして、自分の目で天の川を見ることができる。満天の星空はいつも、いつでも子供達の近くにあるのだ。ちなみに、日本標準時子午線を象徴するこの天文台は、時節に合わせて照らす色も七色に変化して楽しい。

南側に目を向けたとき、空に太陽がアーチを描いているのを知らせてくれるのは、時報だけではなくて。光と影がつくるアートもそのひとつ。差し込む深さで、季節も感じ入ることができたりする。性能と情緒の両立はステキなことだと思う。

窓に映るのは、故郷。緑、焼板、瓦、空。 変わりゆく世の中で、変わらない(可能性が高い)借景を探そう。ここに住み暮らすこどもたちの記憶を醸成し、原風景として残るような景色であればなおよし。

かくゆう、この隣地もお墓を伴うお寺さんであるが、緑も空もかくまってくれているようで、変わらない借景の元にこどもたちはすくすくと育っている。解釈とはこういうものである。いいとかわるいとかいう短絡的な表現はここには似合わない。

ここにしかない在り方で、ここにしかないコトをデザインしよう。

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