2014年、秋の木育体験講座は、初心に帰って、吉野杉のマイ箸つくりと、木と民家と庭の話。古材ギャラリー博美園にて。
奈良の吉野は、今も昔も木材としての杉や桧の名産地で。日本の林業のはじまりの地として知られ、特に杉材はすんばらしい逸材ぞろいです。
木こりから、譲り受けたその逸材を余すところなく使い切るために、丸太を角材や板におとす製材所の皆さんは、手間を惜しみませんでした。
かくゆう、廃材ではなく、丸太から木材を取り尽くした、最後の端材を、わざわざ手間をかけて、細かく挽いて削って割り箸を作ったのです。もちろん今ま作り続けられています。
出処は持続可能な日本の人工林ですから、本来は使って減らそうCO2運動の通り、使ってまた木を植えれば、マイはしでなく、割り箸でも環境負荷は多くありません。
ワークショップでは、外材の乱伐による割り箸利用との違い、大切に使いつづけるマイ箸としての在り方など、各々をごっちゃにせず、ちゃんと分別をつけてもらいながらの作業です。
会場の博美園は、地域と繋がるまちの縁側として、住文化を伝える大塚工務店のギャラリーとして、広くまちに解放しています。
また、100年近い築年数を持つ民家でもありますので、赤味を増した木肌など素材の経年変化の味、風が吹き抜ける土間としての通り庭の存在、北側の中庭の緑など、本来の町家の持つ特性もお話しをしました。