腕によりをかけて。

自社のエンジンルームを見せる。
その心臓部を、車のエンジンに見立てたとき、たとえば設計力のある工務店なら、設計室をガラス張にして、クライアントに示したりする。
当店は、どうか、それはやっぱり、大工が現場に行く前に、下ごしらえをする作業場である。
レストランで言えば、コックさんの立ち回る厨房のようだ。
腕によりをかけて、選び抜いた素材がピカッと光るように仕立てる。
今日はSさんの住まいの玄関框を、けずる。
おそらく、少しくぼんでいた株に近い部分か。林の中の立木の頃を想像しながら、木の目を愉しむ。なかなか味のある桧だ。
産地は吉野。梅雨時は木の香りが立って気持ち良いのだ。


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